【マンガ（２巻）】ミステリと言う勿れ＜バスジャック（後編）＞
※※ネタバレを含みます！※※
あらすじ
主人公・整は、他の乗客とともにバスジャック犯・犬堂の家に招かれる。到着した警察が見守る中、整と犬堂ガロによって連続殺人犯が暴かれた。（ガロの姉・愛珠も連続殺人の被害者だった。）
連続殺人犯：バス運転手・煙草森
語尾に❤をつけることもある、温和で真面目な印象の煙草森が、連続殺人犯でした😨
犯人と分かった状態で彼のセリフを振り返ってみると、不気味です。。
煙草森
「（犬堂たちは）連続殺人鬼っていう雰囲気でもないですけどね」
「（生き埋めにするなら）普通一人ずつ物色するんじゃないでしょうか？」
→自分が殺人鬼なのに、なぜ他人事として平然と言えるのでしょうか…😨
煙草森
「（愛珠は）終点の大原交差点前で皆さんと一緒に降りて行ったけど、その中の誰かと一緒に歩いて行ったように見えました。」
→（そう見えたため、愛珠が車内に残っていることに気づきませんでした。） ということなのでしょうか？
どのセリフや行動も、自分が犯人であることを隠したり、やましかったり、嘘をついているようには見えません。
（が、息を吐くように嘘をついていたのであれば、今回の考察はほぼ無意味です😅）
整
「子供はそういうことがあるんです」
「その物が視界から消えて見えなくなった時、存在自体がなくなったと思う」
「人を殺したんじゃなくて、ただ、片づけただけなんですね？」
と問われた時もあっさりと
煙草森
「はい そうです」「わかってもらえますか？」
と答えています😨
※今後の犯人達もですが『分かってもらう』『気づいてもらう』が大事なようです※
「埋めたらなくなります」「見えなくなればOKです」は、
心の底から、１mmの疑いもなく、真っ当なことだと思っているのでしょう。。
煙草森
「運転手として自分のバスは、キレイにするのが基本です。気持ちよく乗っていただきたいですから」
→愛珠に関しても、死体（＝汚いもの）がバス車内に残っていたから『片づけた』という感覚なのでしょう。
「なんとかやり遂げました」と達成感も示しています。。😨
『トロッコ問題』
整「トロッコ問題の答え、誰より人の目を気にしていたのは煙草森さんでした」
●多くの人は【人目が無ければ】切り替える（5人を助けて1人を犠牲にする）
【人目が有れば】切り替えない（手を出さない）
＝『大人数を殺したくない』が『1人を犠牲にする選択を見咎められたくない』
●煙草森は【人目が無ければ】切り替えない（5人死んでも良い）
【人目が有れば】切り替える（5人を助けて1人を犠牲にする）
＝『大人数を殺すのはダメ』という世間体にしぶしぶ従う
※煙草森は「あれ 違うかな」と付け加えています。
下のセリフの『キレイに片づけ』を踏まえると、人目の有無にかかわらず『5人が死ぬのは良いこと』と思い至ったのではと感じます…😨
整「トロッコ問題の答え、誰より人の目を気にしていたのは煙草森さんでした」
煙草森「もちろんです、キレイに片づけないと」「見られる仕事ですからね」
煙草森
「（愛珠を生き埋めにした後）しばらくして思い出して」「最後に押さえつけた時の伝わってくるあの体の震えが気持ちよくて…」「またやろうと思いました😊」
→しばらく忘れていられるものですか…？
罪悪感や良心の呵責もなく、欲求に忠実なようです……
ただ気になるのが、煙草森の『飲酒』です
犬堂家で食事した時「いつもはお酒を飲みません」と話しています。
（「どう考えても明日は運転しないでしょうから」とも言っているので、『運転前日はお酒を飲まない』という意味かもしれません。）
ですが愛珠が乗車した日、バスを車庫に戻す前に「持ってたお酒を飲んじゃった」と供述しています。
「見られる仕事」と連呼し、「いつもはお酒を飲みません」と言っている人が、
ーこのタイミングで飲酒をするでしょうか？
ーバス車内に酒を持ち込むでしょうか？
ガロは「（愛珠は）なんでヤツのバスに乗ったんだろうな」「なんの巡り合わせなんだろう」と腑に落ちていません。
10巻まで読んでこの回を振り返ると、
煙草森に酒を渡し、乗客が降りれば飲んでも問題ないと言い、
愛珠を精神的に追いつめ、服薬を止めさせ、煙草森のバスに乗るよう促した人物がいるのでは…… と陰謀論のように思ってしまいます。
（後述の『反社会性パーソナリティ障害』ではほとんどの場合、アルコール依存症などの障害が併発するようです。煙草森のセリフが嘘だらけで、アルコール依存症で酒を持ち込んでいた場合、陰謀論は通らないですね！）
（愛珠を追いつめた人物がいるのはほぼ確実のようです）
犬堂兄：坂本 → ガロ → ハヤ
正体が『ガロ』ではないと、整が見破った際「あなたは右利き」と言っていましたね。
バス車内で犬堂弟・オトヤを右手で殴り、ナイフも右手に持ったからでしょう。
（その直後に翔（本物のガロ）が「自分は左利き」という話をしています。）
愛珠はハヤに「ガロをいつも守ってくれ」と言っていたようです。
また愛珠はハヤに想いを寄せていたようですが、
ハヤ
「いとこの姫とどうにかなる勇気はなかったんだよ」
「でもこんなことになるなら、そばにいてやればよかった」
と言っていて、
乗客の1人として『欠点』を問われた時も「勇気がなかったこと」と答えています。
ガロは、愛珠（＝自分の姉）に関して
ガロ
「人を支配したがる女だった」「何もかも手に入れたがる女だった」「はた迷惑だった」「でも愛してた」
と言っています。
乗客の1人として『人殺しがいけない理由』を問われた時は「残された人が悲しむから。家族が。」と言っています。
愛珠の心境をつづったものは、漂流郵便局にあった遺言書のみですし、遺言書自体、精神が不安定な時のもののようです。
病弱で自己中で可愛いだけではなく、『愛してた』と言わしめる、愛珠のステキエピソードがあるはずです。期待しています✨
（死人に口なしで、整とのやりとりが見られないのが残念ですが。。）
余談ですが、警察から「他にこの家（犬堂家）の住人は？」と聞かれ「両親は今はいません」と答えているので、ガロ＆愛珠の両親は健在のようです。
すっごいお金持ちっぽい… しか分からないので、家庭環境も気になりますね！😊
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※※余談※※
煙草森は『反社会性パーソナリティ障害』に該当すると判断され、『精神鑑定に持ち込まれそうになった』のかなと思いました。
サイコパスとは、『反社会性パーソナリティ障害』という精神病者のこと。反社会的で衝動的、向こう見ずな行動が特徴。良心の呵責がない。
ーー刑事事件弁護士ナビ https://keiji-pro.com/magazine/10/
反社会性パーソナリティー障害は，パーソナリティー障害の亜型の一つとされ，その特徴として，社会的義務を顧みないこと，他者の感情に対する共感が欠如していることを特徴とするとされており，罪悪感や後悔を感じることができず，刑罰など自分にとって不都合な体験によって行動が容易に修正されないとされている．
さらに，欲求不満に対する耐性が低く，衝動制御が不良であるため，暴力など攻撃性の発散に対する閾値が低いとされる．
ーー責任能力論における制御能力の意義の検討に向けて 林優貴
幼児期に他者の痛みを無視することが、青年期後期の反社会的行動と関連があるとされています。
特徴として『怒りっぽい』という表現が散見されたため、違う感じもしますが。。
人の性格はグラデーションで。濃淡のある複数の特徴を持っていて。一概には分類できないけど、特徴の分析がかなり行われているのが興味深かったです。
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最後まで読んでいただきありがとうございます🥰❤
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